産業廃棄物収集運搬業の許可を取得するためには、廃棄物処理法に定める許可の要件を満たすことが必要です。その要件は大きく以下の2つに分かれます。

  1. その事業の用に供する施設および申請者の能力がその事業を的確に、かつ、継続して行うに足りるものとして、環境省令で定める基準に適合するものであること
  2. 欠格要件に該当しないこと

 この要件を満たしていないと、いくら産業廃棄物収集運搬業の許可を取得したいと思っても許可を取得することができませんので、申請前にしっかりと確認することが必要です。

 では、それぞれの要件について詳しく見ていきましょう。

その事業の用に供する施設および申請者の能力がその事業を的確に、かつ、継続して行うに足りるものとして、環境省令で定める基準に適合するものであること

 難しい表現で要件が書かれていますが、簡単に言うと、この要件は①事業用の施設に係る基準と②申請者の能力に係る基準の両方を満たすことが求められています。

①事業用の施設に係る基準

 事業用の施設とは、運搬車、運搬船、運搬容器、駐車施設などが該当します。積替え保管を行う場合は、これらの施設の他に、積替施設、保管施設、積替え作業に必要な重機等も該当することとなります。

 また、環境省令で、①産業廃棄物が飛散し、流出し、悪臭が漏れるおそれのない施設であること、②特別管理産業廃棄物については、①に加えて、取り扱う特別管理産業廃棄物の種類に応じて、その収集又は運搬に適する施設であることという基準が定められています。

 以上のことをまとめると、「収集又は運搬を行う予定の産業廃棄物の性状、形状、取扱量などに応じて、それに適する車輌、容器などを選定し、確保する」ことで、この要件を満たすことができるということになります。

②申請者の能力に係る基準

 申請者の能力に係る基準とは、①事業を的確に行うに足りる知識、技術を有すること、②事業を的確かつ継続して行うに足りる経理的基礎を有することの2つとされています。
 ①の「事業を的確に行うに足りる知識、技術を有すること」については、(財)日本産業廃棄物処理振興センターの講習会(収集・運搬過程)を受講し、修了書の交付を受けることで要件を満たすことができます。なお、講習会については誰が受けても良いというものではなく、必ず次に掲げる方が受講することが必要です。

  • 申請者が法人の場合 役員又は政令使用人(※)
  • 申請者が個人の場合 申請者又は政令使用人(※)

※法人又は個人の使用人であって、産業廃棄物収集運搬業に係る契約を締結する権限を有する代表者のことをいいます。具体的には本店の管理責任者や支店長、営業所長で、産業廃棄物収集運搬業に係る契約を締結する権限が与えられている者を指します。

 ②の「事業を的確かつ継続して行うに足りる経理的基礎を有すること」とは、事業において利益を計上し、かつ、債務超過の状態にないことをいいます。

 もっとも、事業において利益が計上されず、かつ、債務超過の状態にある場合であっても、中小企業診断士等が作成する「経理的基礎を有することの説明書」を添付することができれば許可を取得することが可能ですので、すぐに諦める必要はありんません。

欠格要件に該当しないこと

欠格要件とは、廃棄物処理業の許可申請者の一般的適性について、法に従った適正な業を遂行することが期待できない者を類型化した要件です。廃棄物処理法の第14条第5項に詳しく規定されていますが、ここでは分かりやすい表現に改めてご案内させていただきます。
※簡単な表現にするため、一部文言等の省略があります。当サポートセンターでは、ご依頼前に必ず詳細につき確認させていただいておりますので、ご安心ください。

  • 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ない者
  • 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることが無くなった日から5年を経過しない者
  • 刑法等で定められている罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることが無くなった日から5年を経過しない者
  • 許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
  • 許可の取消しの処分にかかる行政通知があった日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に収集運搬業の廃止届をした者で、当該届出の日から5年を経過しない者
  • 上記廃止届があった場合において、上記行政通知の日前60日以内に当該届出に係る法人の役員若しくは政令使用人であった者又は当該届出に係る個人の政令使用人であった者
  • その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者
  • 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
  • 暴力団員等がその事業活動を支配する者

欠格要件の判断については、申請者・申請者の役員・政令使用人全てについて判断します。特に、犯罪歴等を隠して申請するようなことは絶対に止めましょう。審査時において役所から警察に対して犯罪歴等の照会をしますので、必ず判明してしまうからです。

 


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